「ハラスメント経験」15% 沖縄県内教員、沖教組が調査


この記事を書いた人 平良 正

 沖縄県教職員組合(沖教組)が幼稚園と小中学校の一般教員を対象に昨年度初めて実施したハラスメントに関する調査で、15・8%の教員が校長ら管理職などからパワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)を「受けたことがある」と答えていたことが10日までに分かった。「ハラスメントを聞いたり相談を受けたりしたことがある」と回答した教員は22・8%に上り、県内の学校現場でハラスメントがまん延している実態が浮き彫りになった。

 3月までに沖教組が県内の幼小中の全教員約6千人を対象に実施し、1041人から回答があった。アンケートの自由記述では、管理職の評価が教職員の給与に反映される「教員評価システム」を背景に「管理職に『評価を下げる』と言われ、物が言えない会議になっている」との声もあった。評価システムがパワハラの「脅し」文句として使われている状況がうかがえる。

 県教育庁は「市町村立学校教員の服務監督は市町村の管轄で、各市町村で加害側、被害側に聴取して事実関係把握に努めている」との認識を示したが、同庁出先機関の各教育事務所によると、2016年度に県内の各市町村教育委員会からハラスメントの報告はなかったという。多くの教員がハラスメントを受けても、外部に相談したり訴えたりしづらい状況にあるとみられる。

 沖教組の佐賀裕敏中央執行委員長は「自身の権限を理解せずに、ハラスメントをしてしまう管理職が多い。研修などでハラスメントに関する認識を定着させてほしい」と県などに求めた。

 昨年3月には、2011年度に那覇市立中学校の当時の校長によるパワーハラスメントでうつ状態となった当時教頭の女性が、那覇市に4752万円の損害賠償を求め那覇地裁に提訴した。(塚崎昇平)