白タク問題 アプリに口コミ 中国客の個人旅行増加 多言語対応が急務


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 県内で中国人客を相手にした「白タク」行為が横行する背景には増加する中国人客の旅行形態がかつての団体旅行(ツアー)から個人旅行に移行していることが背景にある。中国の免許証や国際運転免許証では日本国内で車の運転ができない制度も要因の一つだ。今後個人旅行で来沖する中国人客らへの県内での交通手段の整備や、多言語対応の強化が求められる。

 県の外国人観光客実態調査によると、2015年度の中国人客の旅行形態は「ツアーは利用していない(個別手配)」とする個人旅行が前年度比6・4ポイント増の34・0%で最も多かった。中国人客の旅行形態は、個人旅行が13年の19・9%から14年は27・6%となり、年ごとに6~7ポイント上昇している。

 県の調査では、15年度に沖縄を訪れた中国人客が移動に利用する交通機関は「レンタカー」が17・7%を占めた。前年度比8・2ポイント増となり、個人客の増加によるレンタカー需要も高まっている。

 中国は「(道路交通に関する)ジュネーブ条約」に加盟していない。中国人客が国際運転免許証により日本国内で運転することは認められていないため、同アプリの利用が増加した一因とみられる。

 国内では、現在東京や沖縄などで観光ドライバーとレンタカー利用者を仲介するサービスが展開されている。レンタカーは利用者側が準備し、ドライバーも利用者が選択し委託契約を結ぶ。レンタカーを借り受けた利用者が、契約者本人以外の人に運転を委託する行為は、利用者自身の自由な行為として従来から一般的に認められる。

 一方で中国アプリの利用は第2種免許を持たない運転手と、営業許可を受けていない車を一緒に提供する運送類似行為に当たり、「白タク」行為とされる。

◆白タクアプリ訳文

白タクの利用者が記入したコメント

 「熱心なガイドは、私たちにコンビニで水族館割引券の購入方法を教え、昼は非常においしい日本料理店に連れていってもらった。夜、私たちをホテルに送った後も国際通りの各種施設を紹介してもらった。とてもよかった」

 「運転手のサービスが良く、話も面白かった。私たちのニーズに合わせて旅行日程を考えてくれた。魚市場へ案内してもらったほか、ショッピングも付き合ってもらった。利用料金を割引してもらったので、今後も利用したい」