FC琉球分ける 沼津と2―2 J3リーグ


社会
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 サッカー明治安田J3第8節は13日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場などで行い、FC琉球は2―2でアスルクラロ沼津と引き分けた。前半の開始直後は沼津が試合の主導権を握り、琉球は守る時間が長かった。前半15分に沼津がゴール前でボールをつなぎ、先制点を奪った。琉球は失点後から持ち直し、後半19分に前田央樹の得点で追い付いた。後半37分に沼津に勝ち越し点を許したが、ロスタイムに富所悠がこぼれ球を押し込んで同点とした。次節は20日午後7時から、同会場でSC相模原とホーム戦を行う。
(観客1365人)

(1)沖縄県陸
琉球 2勝3分け3敗(9)
 2―2(0―1,2―1)
沼津 3勝2分け2敗(11)
▽得点者【琉】前田(1)富所(3)【沼】薗田(5)染矢(1)
▽観衆 1365人

 【評】FC琉球が後半ロスタイムで追い付いた。前半は縦への長いパスで攻め込む沼津に押し込まれ、ゴール前を崩されて先制点を献上した。琉球もパスワークから好機につなげ、後半に試合を振り出しに戻した。試合終盤に沼津が勝ち越したが、琉球は攻め続けて同点とした。(平安太一)

◇土壇場で粘り 勝ち点1

FC琉球―沼津 後半ロスタイム、同点のシュートを決め喜ぶ富所悠(中央)=13日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場(具志堅千恵子撮影)

 FC琉球は攻め手を緩めなかった。後半37分に沼津へ勝ち越し点を献上した直後、ピッチを広く使って攻め上がり、ゴール前では流れるようなパスワークで好機を演出した。そして迎えたロスタイム。ペナルティーエリア内で相手守備に当たったこぼれ球を、富所悠が押し込んで同点に。土壇場で勝ち点1をつかみ取った。

 なかなかゴールが奪えないもどかしい展開だった。前半は前線へ積極的にボールを入れる沼津に苦しめられ、守備でどうにかしのいだ。先制点を奪われた直後から琉球もギアを上げ、前田央樹がゴール前に飛び込むなどして得点機をつくった。それでもネットを揺らせず、前田は「チャンスがあったのに決められなかった」と悔やむ。後半は琉球ペースで試合が進んだ。前線へボールを入れると各選手が連係を深め、パスをつなぎながら相手守備を翻弄(ほんろう)した。しかしシュートまで持ち込むことができず、富所は「もっと連携の中で互いのアイデアをすり合わせる必要がある」とチームワークのさらなる強化を望んだ。

 最後に粘りを見せて敗戦は免れたが、前田は「自分自身、決めて当然のシュートを決められなかった」と反省する。次節もホームで試合を迎えることから、富所は「次は勝利を見せる」と誓った。(平安太一)

◇チームの弱さ出た
 金鍾成監督(FC琉球)の話 うちのチームの弱さが出た。前線にボールが入った場面の崩し方を強くしないといけない。2点目を取って追い付いた時に喜んでいることも異様だと感じた。残り時間で(逆転に向けて)ボールを持って行けるようなチームになる必要がある。

◇選手はよく戦った
 吉田謙監督(沼津)の話 選手はよく走って戦ってくれた。最後に勝ちきれなかったことをチームで整理する。また、ロスタイムでの勝ち方をトレーニングしたい。最後の3~4分は戦術よりも魂の部分が大きい。もう一度、チームみんなで戦いたい。