財政効果、目標の1.4倍 歳入で大きく伸び 沖縄県16年度行革 


この記事を書いた人 平良 正

 沖縄県は22日、県三役や部局長でつくる「行財政改革推進本部」(本部長・翁長雄志知事)を県庁で開き、第7次県行財政改革プランの3年度目となる2016年度の推進状況と17年度の実施計画を承認した。14~17年度の4年間にわたる第7次計画について、16年度までの3年を終えた時点の財政効果は、17年度の合計目標額57億8700万円を既に超え、目標の1・4倍に当たる81億4700万円に達したと報告した。

 内訳は、収入の確保で効果を上げた「歳入」部門が14~17年度の合計目標28億9900万円に対し、14~16年度の3年度で59億200万円に上った。一方、支出を抑える「歳出」部門では14~17年度の目標合計額は28億8800万円と設定しているが、16年度までの合計は22億4500万円と、未達となっている。

 歳入が目標を上回った理由について県は、自動車税や個人住民税などの県税の納付でクレジットカードやコンビニでの支払いを導入したことで納付率が向上したことや、未利用財産の売却促進を図ったと説明した。

 一方、歳出部門の財政効果が第7次計画の最終年度に当たる17年度で目標額に到達するかは「まだ分からない状況」としている。

 行財政改革プランの個別分野の進展状況では、全29実施項目のうち「順調」が26項目(89・7%)だった。「やや遅れ」(10・3%)と評価されたのは「市町村への権限委譲」「県立芸術大学の行革推進」「県立病院改革の推進」だった。

 翁長知事は会合で「(県独自の振興計画)沖縄21世紀ビジョンを確かなものにするため、質の高い行政サービスの提供と持続可能な財政マネジメントをする必要がある」と述べ、さらなる行財政改革を指示した。

 会合は18年度以降の次期計画に関する「策定方針案」も承認した。方針案は新たな重点実施項目として、業務の過程を効率化し、再構築する「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」の活用や、働き方改革などを盛り込んだ。外部の識者で構成する県行政改革懇話会に報告し、年度内に最終決定する。