泡瀬干潟で貝が大量死 絶滅危惧種も、藻が発生


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干潟を覆い尽くすホソエダアオノリ=3月30日、沖縄市の泡瀬干潟(泡瀬干潟を守る連絡会提供)

 沖縄県沖縄市の泡瀬干潟の埋め立て事業に反対している市民団体「泡瀬干潟を守る連絡会」は同市泡瀬のウミエラ館で25日記者会見を開き、泡瀬干潟で2月から4月にかけて藻類の「ホソエダアオノリ」が大量発生し、海底に生息する貝類の大量の死骸が確認されたと発表した。

 死骸の中には、県がレッドデータおきなわで絶滅危惧種に指定するニッコウガイやリュウキュウアサリガイなども確認されている。泡瀬干潟を守る連絡会は近く県と沖縄総合事務局に、原因解明と防止策の実施を要請する。

 屋良朝敏事務局次長によると、ホソエダアオノリは泡瀬干潟の沿岸約500メートル幅約100メートルにわたり広がっていた。ホソエダアオノリは毎年発生するが、今回のように干潟上に広大な藻場が確認されたのは初めてだという。

 屋良事務局次長は「例年貝の死骸は5、6個程度しか干潟で見られないが、今年はバケツ3杯分以上見つかり異常事態だと感じた」と話す。

 ホソエダアオノリの大量発生について小橋川共男共同代表は「泡瀬干潟の埋め立て工事により、海流が変わり潮通しが悪くなったことが原因と考えられる」と話す。藻類による貝類の死滅は、泡瀬干潟と同様に出島方式で沖合が埋め立てられた福岡県の和白(わじろ)干潟などでみられ、和白干潟では毎年、大量発生した藻類の撤去作業を行うという。

 前川盛治事務局長は「貴重な生物の宝庫・泡瀬干潟にこれ以上負担をかけないでほしい」と訴えた。

 泡瀬干潟を守る連絡会は同日、処分先が未決定の中城湾港航路の拡幅工事で発生する土砂について、泡瀬干潟埋め立て地で処分しないよう沖縄総合事務局に要請することも発表した。