外国人客、行動にもお国柄 沖縄観光、中韓や欧州人に特徴


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
スマートフォンのアプリ「オキナワ・フリーワイファイ」の接続画面

 沖縄県内の多くの公衆無線LANが利用できる「沖縄全島フリーワイファイ(Wi-Fi)共同実証実験」の成果発表が25日、那覇市の沖縄産業支援センターであった。公衆無線LANを利用する観光客を対象とした動線分析結果を言語別に見ると、台湾、香港の人が使う中国語(繁体字)や英語の利用者は全県を周遊する傾向がある一方、韓国語を使う人は景勝地の周遊やシュノーケリングなどを集中的に体験していた。ドイツ語、フランス語など欧州系言語の人は、那覇市の「とまりん」からフェリーざまみを利用する比率が高く離島観光を重視する傾向があるなど、訪問先に違いがあった。

 中部地区で観光客が集まるイオンモール沖縄ライカムや沖縄こどもの国、泡瀬漁港内のパヤオ直売店、勝連城跡を訪れた外国人客を対象とした動線分析では、多くの人が沖縄美ら海水族館から各施設を訪れ、観光の後は那覇市に向かう傾向があり、中部地区内を周遊する人が少なかった。

 共同実験推進協議会員で情報通信総合研究所の三浦大典上席主任研究員は、接続ツールのダウンロード数が今年4月末時点で8472件に上ったことを報告し、県内2千カ所の公衆無線LANスポットを簡単に接続できるようにした成果を説明した。

 4月には台湾の公衆無線LAN事業社と連携を始め、台湾人は台湾で登録済みのユーザー情報で沖縄のWi-Fiを使えるようにした。

 三浦氏は中部圏内の連携の弱さに触れ「中部に来たら、こどもの国やパヤオ直売店、勝連城跡に行くことを提案できれば、宿泊日数や観光消費の増加にもつなげられる」とデータから見えた課題を語った。

 実証実験は県内の各自治体が別々に整備した公衆無線LANへの接続認証を、スマートフォンのアプリをワンタップ(1回軽くたたく)するだけでつながるようにし、観光客の利便性向上を目的としている。