電気技師や大工、水道や建築関係、車両整備、福祉の専門家、読み聞かせが得意な人など、さまざまなメンバーが活動する糸満市のボランティアグループ「オジサンクラブ」。平均年齢65歳のおじさんたちが糸満市社会福祉協議会(上原健市会長)と協力し、金銭的に厳しい生活をしている人の家屋の修理や1人暮らしの高齢者宅の草刈り、子どもたちに紙芝居も披露する。会長の大生(おおばえ)儀国さん(68)=宮崎県出身=は「子どもたちに夢を与え、地域のためになる活動をしたい」と抱負を語る。
オジサンクラブは、定年退職後に市社協のボランティアセンターで活動していた人を中心に2012年5月に結成。県外から糸満市に移住後、地域とのつながりを求めて参加する人も多い。会員15人ができることを無理なく協力している。
名付け親の玉城満さん(58)は市社協の事務局長でオジサンクラブの事務局も担う。「PTAでは似たような活動があるが、社協と一緒にやっているのはあまりないと思う」と話す。市社協の職員が支援の必要性を協議し、多い時は月に3回ほどクラブに依頼。家屋の修理などは依頼人から材料費だけを徴収する。
メンバーの近江茂雄さん(67)=京都府出身=は「本当に困っていて応援を求めている場合に協力する。電気や水道などいろいろな依頼がくるが、持っている技術を生かして楽しませてもらっている」と言う。
最高齢の大井昇さん(74)=北海道出身=は7年前、妻の出身地の糸満市に移住した。「電気関係の仕事でボランティアとは無縁の世界にいたが、やってみたら面白い。初めてのことも多く、貴重な体験をさせてもらっている」と謙虚に語る。
クラブの合言葉は「楽しくなければボランティアじゃない」。メンバーは「本当に楽しいよ」と爽やかなオジサンスマイルを見せた。(豊浜由紀子)