デイゴ守れ 沖縄県、天敵放ちヒメコバチ駆除試験へ


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 県花・デイゴに被害を与える外来種・デイゴヒメコバチの防除策を研究してきた沖縄県森林資源研究センター(寺園隆一所長)は、本年度中にも天敵となるデイゴカタビロコバチを導入し、県内離島に放って駆除する試験を始める。天敵を活用した低コストな防除技術を確立させる。寺園所長は「県花デイゴが毎年、鮮紅色の花を咲かせることで、観光業など地域の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

 ヒメコバチはデイゴの若葉や新芽の中に産卵する。卵がふ化し幼虫が成虫に成長する過程で虫こぶができ、被害を受けた部分を枯らす。木自体も衰弱し、開花率の低下や枯死の原因となっていた。

 天敵のカタビロコバチを活用した防除方法は米ハワイ州が導入。カタビロコバチは虫こぶができた場所に産卵し、ふ化するとヒメコバチの幼虫やサナギを捕食する。木に薬剤を注射して駆除していた従来の手法に比べて低コストで、木への負担も軽くて済む。

 県は2014年にハワイからカタビロコバチを収集し、沖縄で防除効果や環境への影響を続けてきた。捕食によってヒメコバチの数が50~60%抑えられ、葉が残って花が咲く確率を高めることを確認した。

 在来昆虫への影響調査でもカタビロコバチと交雑したり、寄生したりしないことを確認した。