ふるさと納税 南風原町が返礼品制度を開始


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 【南風原】南風原町は5日から、ふるさと納税への返礼品制度を開始した。返礼品は、町と町商工会が町内の生産業者と連携し選定した町の特産品25商品。町への利益を最大化するため、町外や県外の業者に頼らず、商品の生産や開発、受注システムなどを町商工会を中心に全て町内で完結させる。町役場で5日、記者会見が開かれ、生産者や関係者から「町の活性化につながる相乗効果をもたらす」と期待の声が上がった。

ふるさと納税の返礼品に選ばれた町の特産品を囲み、笑顔を見せる生産者や関係者ら=5日、南風原町役場

 返礼品は、マンゴーやスターフルーツなどの農作物から、プリンやケーキなどの加工品、シーサーやハブ革を使った財布、ブランド豚のセットなど多岐にわたる。1万円から100万円までの納税額に応じて返礼品があり、寄付者はふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」で返礼品を選択できる。

 町への寄付金は2008年度の1件10万円から、16年度は10件75万円と増加傾向にあるが、町は返礼品でさらなる寄付の増加を目指す。

 会見では生産者を代表して、大城野菜生産農園加工所の大城清美代表、美ら卵養鶏場の知名伸一取締役常務、福まる農場の崎原秀俊次長があいさつした。知名常務は「南風原のおいしさを全国のみなさんと分かち合いたい」と期待を寄せた。「沖縄キビまる豚」を育てる崎原次長は「おいしく召し上がってもらいたい」と笑顔を見せた。

 町商工会は昨年10月に、今帰仁村で地元主導の返礼品制度の取り組みを視察。今年2月には町と商工会が連携協定を結び、制度の実現を目指していた。

 町は今後、琉球絣(かすり)や南風原花織なども返礼品として随時追加したい考え。寄付から返礼品の発送までの流れを自動化するシステムは、町兼城のIT通信が開発中で、今後導入する予定だという。