「継続使用の日米合意はない」 嘉手納旧駐機場で稲田防衛相


この記事を書いた人 松永 勝利

 【東京】稲田朋美防衛相は9日の会見で、1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告に基づいて移転した嘉手納基地の旧海軍駐機場を巡り、米軍が2009年の日米合同委員会で継続使用に合意したと主張していることについて「米軍の認識とは異なっている。日米で合意しているという事実はない」と述べ、合意の存在を否定した。
 米軍は09年に日米合同委員会で「必要に応じて使用」することに合意していると主張しているが、日本側は合意はないと主張しており、説明が食い違っている。だが日米合同委員会は非公開となっており、日米双方とも当時の合意内容について明らかにしていない。稲田氏も「日米合同委員会の日米間のやりとりについて詳細を答えることは控える」と言及を避けた。
 日本側は稲田氏が今月3日に訪問先のシンガポールで米国のマティス国防長官と会談した際もこの問題を取り上げており、ほかにも各レベルで話し合っているが「認識の一致をみていない」(稲田氏)という。
 旧海軍駐機場は騒音軽減を目的に1996年のSACO最終報告で移転が決まり、ことし1月に移転が完了した。しかしその後も外来機の飛来が相次ぎ、5月31日から韓国烏山(オサン)基地から飛来したU2偵察機が使用している。【琉球新報電子版】