外国人観光客に医療支援 台湾女性への寄付活用 県などが協議会


この記事を書いた人 平良 正
砂川靖県保健医療部長(中央)へ目録を手渡す張本光輝会長(左から3人目)ら=9日、県庁

 琉球華僑総会の張本光輝会長らが9日、県庁に砂川靖保健医療部長を訪ね、沖縄旅行中の3月末に早産した台湾人女性を支援するために寄せられた義援金から、出産の必要経費を差し引いた余剰金約1130万円を県へ寄付した。寄付された余剰金を基に、県や県医師会、沖縄コンベンションビューローは、沖縄に滞在中の外国人観光客の医療費を支援する「外国人観光客医療費問題対策協議会」を発足させる。

 沖縄を旅行中、妊娠7カ月で出産した台湾人女性は、医療保険が適用されない状況だったが、義援金で高額な医療費を支払うことができ、5月下旬に無事に赤ちゃんと台湾へ帰った。

 張本会長は「今後、医療費が払えない観光客や子どものために有効に活用してほしい。今回、寄付していただいた方々にあらためて感謝する」と語った。

 同行した台北駐日経済文化代表処那覇分処の蘇啓誠所長は「多くの皆さまから寄せられた志を有効に活用してほしい」と期待した。 

 義援金を受けた県の砂川保健医療部長は「思いをしっかりと受け止め、外国人観光客の医療費問題を解決するための活用を検討したい」との方針を示した。