FC琉球 引き分け 長野と1―1 J3


社会
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 サッカー明治安田J3第12節第1日は10日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場などで6試合を行い、FC琉球はAC長野パルセイロ(5位・5勝3分け2敗)と対戦し、1―1で引き分けた。前半は長野の攻撃をしのぐ時間が続いたが、後半は攻撃がシュートで終わるようになり、徐々に流れをつかんだ。しかし、アディショナルタイム1分に、相手のコーナーキックから痛恨のヘディングシュートで先制点を許す。後がない琉球は必死の猛攻撃を仕掛け続け、DF才藤龍治が相手ゴール前でファウルを奪いペナルティーキックへ。終了間際につかんだ最後の好機にMF富所悠がしっかりネットを揺らし、同点で乗り切った。琉球は4勝5分け3敗で勝ち点を17とし、7位となった。琉球は、アウェーでの2連勝を含めて5月から負けなしと勢い付いており、この日も終盤ピンチを背負うも食らいつく底力を見せた。琉球の次戦は25日、同陸上競技場でガイナーレ鳥取と対戦する。

(1)沖縄県陸
FC琉球 4勝5分け3敗(17)
 1―1(0―0,1―1)
長野 5勝4分け2敗(19)
▽得点者【琉】富所(PK)(4)【野】寺岡(1)
▽観衆 3222人

 【評】前半は長野ペースで試合が展開し、琉球は耐える時間が続く。後半に入ると琉球の積極的な攻撃がシュートまで結び付き、リズムをつかみかけた。しかし、アディショナルタイム1分、長野が右のコーナーキックからヘディングシュートで先制した。琉球は試合終了間際の猛攻の中でペナルティーキックの好機をつかみ、MF富所悠が同点弾を決めてドローで踏みとどまった。(嘉陽拓也)

◇土壇場、PKで追い付く

FC琉球―AC長野パルセイロ 後半アディショナルタイム、ファールでもらったPKを落ち着いて決めるMF富所悠=10日、県総合運動公園陸上競技場(新里圭蔵撮影)

 アディショナルタイムに痛恨の先制シュートを決められ、敗色濃厚になった琉球だが、それでもしぶとく攻撃を続け、最後の最後でPKのチャンスをもぎ取って同点でしのぎきった。直近5試合では引き分けや2連勝など負けなし。琉球のタフなプレーに多くのファンが沸いた。

 前半は長野ペースだったが、後半はMF名倉巧とMF富所悠が試合を回し始めると、DFの藤澤典隆と才藤龍治も機能しリズムをつかみかけた。しかし、アディショナルタイム1分に長野にコーナーキックから鮮やかなヘディングシュートを決められ、まさかの失点を許す。

 焦るファンと琉球だが、長野の選手が歓喜に沸いて試合が一時滞ったため同タイムが1分追加されたことが、結果的に琉球に運を傾かせた。

 諦めずに猛攻を仕掛け続ける中、最後の最後で才藤がペナルティーエリア内でファウルを奪った。

 席から立ち上がって喜ぶファン。富所が自らキッカーに名乗り出ると「相手GKが先に動いたので落ち着いて狙えた」と、同点弾で再びファンを沸かせた。

 負けはしなかったが、富所は「上位チームについていくには勝ち点3がほしかった」と反省する。「次戦からは毎試合ゴールやアシストを決めるようにしたい」と話し、貪欲に勝利を求める姿を見せた。(嘉陽拓也)

◇負けずにいれば自信に
 金鍾成監督(FC琉球)の話 内容はともかく、負けずにいれば強い自信を持ち続けられる。セットプレーで失点し、そのまま終われば昨年と変わらないチームと言われるが、最後はぐしゃぐしゃしながらもPKで引き分けた。今日は評価を下さず、次の試合に問うゲームだったと思う。

◇勝つチャンスあった
 浅野哲也監督(長野)の話 悔しいの一言。勝つチャンスは十分にあった。後半は苦しい時間が続いて受け身になってしまった。琉球のストロングな攻撃に苦しみながらでも1失点に抑えた守備はよく耐えたと思う。