米軍、緊急着陸オスプレイの帰還先明かさず 奄美を離陸


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 鹿児島県の奄美空港に10日夜に緊急着陸した米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が、11日午後4時36分ごろ、奄美空港を離陸した。沖縄防衛局は同機の帰還先について、米軍の運用上の理由とし、奄美空港を離陸後どの基地に戻ったかは明らかにしていない。11日午後6時までに普天間飛行場、嘉手納基地に着陸する様子は確認されなかった。県は米軍機による緊急着陸の事案が相次いでいることを受け11日、沖縄防衛局に口頭で再発防止策などを要請した。米軍には12日に行う。

 沖縄防衛局や九州防衛局によると、11日午前11時40分に整備部品と要員を乗せた別のオスプレイ1機が奄美空港に飛来し、必要部品や要員を降ろし間もなく離陸した。緊急着陸した機体の周りでは米兵らが脚立の上からプロペラ部分を確認するなどの作業が見られ、午後4時36分ごろに奄美空港を離陸した。

 同機は普天間飛行場第31遠征部隊第265海兵ティルトローター部隊所属。オスプレイを巡っては、昨年12月に名護市安部の浅瀬に墜落したほか、6月6日には伊江島補助飛行場に緊急着陸したばかり。伊江島に緊急着陸した機体と、今回奄美空港に緊急着陸したのは別の機体。

 県は沖縄防衛局への要請で「米軍の航空機整備の在り方、安全対策などについて不信感を抱かざるを得ない」と指摘し、原因究明や対応措置の公表を米軍に働き掛けるよう求めた。沖縄防衛局も11日に在沖米軍に原因究明などを申し入れた。

 現在、普天間飛行場に配備されているオスプレイのうち半数は普天間飛行場に、残り半分は洋上展開する強襲揚陸艦ボノムリシャールに搭載されている。11日午後6時現在、整備部品を運んだ機体、緊急着陸した機体のいずれも普天間飛行場や嘉手納基地への着陸は確認されておらず、2機は洋上のボノムリシャールに戻った可能性がある。