大田さん、涙雨の出棺 きょう告別式


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三男の秀明さん(左)が持つ大田昌秀さんの遺影に手を伸ばし、別れを悲しむ妻の啓子さん(手前右)=14日、浦添市伊奈武瀬のいなんせ会館

 12日に亡くなった元県知事・元参院議員の大田昌秀さん(享年92)の遺体が14日、浦添市の火葬場で荼毘(だび)に付された。大田さんの遺体は14日正午ごろ、安置されていた浦添市伊奈武瀬のいなんせ会館から出棺し、火葬場へ向かった。車いすで参列した妻の啓子さん(86)はうつむいて涙を流し、ハンカチで何度も目頭を押さえた。告別式は15日午後2時から3時、いなんせ会館で行われる。

 出棺の直前、雨と風が強まり、遺体を入れたひつぎを教え子や関係者の男性らが担ぎ、ぬれないよう丁寧に霊きゅう車へ運び入れた。啓子さんは三男の秀明さん(49)が持つ大田さんの遺影に手を伸ばして、別れを惜しんだ。

 秀明さんが大田さんの遺影を抱き、めいの大城民江さん(67)が位牌(いはい)を持って霊きゅう車に乗り、遺族や琉球大教授時代の教え子や同僚、友人ら約30人が手を合わせて冥福を祈る中、火葬場に向かった。

 出棺から約3時間後、火葬場で荼毘に付された遺骨を納めた箱を秀明さんが大切に抱き、啓子さんら遺族や参列者がいなんせ会館に戻った。啓子さんは終始ハンカチで顔を覆い、うつむき気味だった。参列者によると、啓子さんは「おえつをこらえ、非常に悲しんでいた」という。