ユーグレナ増産へ 泡盛残さ用い技術開発


この記事を書いた人 琉球新報社

 健康食品として人気が高まっているミドリムシ(ユーグレナ)の生産性向上を目指し、沖縄の素材を使った化粧品製造などを手掛けるサンおきなわ(豊見城市、上地俊二郎社長)は15日までに、泡盛製造の際に出る残さ物を餌に使い、ミドリムシを増産する技術を開発した。餌代の抑制につながるほか、ミドリムシの増殖速度が従来技術の3倍になる。同社は特許取得を目指すとともに、業務提携先を探して事業化を目指している。

ミドリムシの増殖を試験しているタンクを前に、技術の意義を語るサンおきなわの上地俊二郎社長=15日、豊見城市根差部

 泡盛製造の残さ物で、もろみ酢の原料ともなっている「蒸留廃液」を餌に使う。そのままでは餌に使うのは難しいが、同社では独自に加工してミドリムシの餌とすることに成功した。

 蒸留廃液は発酵することで二酸化炭素(CO2)を排出する。ミドリムシの成長に必要なCO2の供給にも役立っている。

 同社では1トンタンクを使った培養技術も開発した。発光ダイオード(LED)を使ってタンク内を照らすことで750リットルまで満たしたタンクの底まで光を届け、光合成をするミドリムシが昼夜問わず成長できる環境を実現した。

 同社はこれまでタンク4基を使って実証実験を続けてきたが、技術の見通しがついたことを受け、7月にも南城市内で約990平方メートルのハウスを借り、タンク200基を並べてミドリムシ量産の事業化に着手したい考えだ。

 上地社長は「沖縄の新たな産業開拓の余地が十分にある。業務提携を通し事業をスピードアップさせたい」と意気込んだ。