[ココロ・カラダ不思議つながり]11 中1で射精ないのは遅い?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

Q.中1で射精ないのは遅い?

 

 今日の質問は、この間の射精の話を読んで、中1で射精を経験していないのは遅れているのかなと不安になりました。大丈夫ですか? です。

A.変化の個人差、大きい

 

 まずは、全国の高校生と大学生をピックアップして行った調査の表を見てください。

「まだ射精を経験していない」と言っている人は、高校生で約17%、大学生で約3%います。射精があったという人に「初めて経験したのはいつ?」と聞いてみると、10歳以前に経験している人が数%いる一方、15、16歳で経験する人もいますね。間にもいろんな数字が並んでいます。

 射精を経験する年齢を心配している人はとっても多いけれど、思春期の身体の変化の特徴として、「個人差が大きい」というのがあります。変化は早いから良いとか、遅いから良いとかいうことはありません。自分にちょうど良い時に変化はやってきます。

 それぞれの発達は遺伝子(命の設計図、DNA)に書いてあるから、人と比べて心配する必要はありませんよ。

 一応の目安として、男子は16歳の誕生日が過ぎた春になっても射精が始まらなかったら、病院へ行きましょう。男子が性器のことで心配なことがあったり病気になったりしたときは、泌尿器科に行きます。事前に電話して、なるべく10代の人をたくさん診ているお医者さんを探しましょう。大きな病院だと思春期外来があるので、そこに行ってもいいです。これは毎年1学期、病気の早期発見のために行う尿検査や内科検診と同じです。

 この16歳という目安は、自分の身体を大切にするために念のため調べてみるきっかけの時期ということなので、その時までは安心して待っていてね。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。