イセエビなど漁獲制限拡大へ 沖縄海区漁業委が検討


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
水揚げされたイセエビ類(資料写真)

 海洋資源や操業ルールを管理する沖縄海区漁業調整委員会が、高級エビであるイセエビ類、セミエビ類の禁漁期間の延長やサイズ制限の変更を検討している。県水産海洋技術センターの調べによるとイセエビ類の漁獲量は近年13トン程度と低位安定で推移している。これまで規制がなかったセミエビ類の年間漁獲量は過去27年間で6・3トンから3分の1程度の1・9トンまで急減しており、持続的な水産資源の利用を図る観点からも規制導入が必要だとしている。

 委員会は来年4月の実施を検討しており、26日から7月31日まで県民の意見を募集する。

 検討されている規制では、漁業者、遊漁者を対象に、イセエビ類、セミエビ類の採捕を4~7月まで禁止する。体長20センチ以下の個体は時期を問わず捕獲を禁止する。手づかみで採ることが多いセミエビ類は、抱卵している個体を取ることも禁止する。実現すれば、セミエビ類では初の規制導入となる。

 現在はイセエビ類で漁獲規制があり、4~6月を禁漁期間とし、体長18センチ以下は捕獲が制限されている。

 水産海洋技術センターの研究よると、漁が解禁された7月中も抱卵した個体が多く水揚げされている。体長制限を20センチにすることで抱卵量が18センチの時より3万個多い12万個まで増えることから、産卵の機会を増やす観点からも規制の変更が必要だとみている。