空き教室を保育所に うるま市が検討、来春開所目指す


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 【うるま】うるま市が中学校の空き教室を活用した公設民営型の小規模保育所の開所を計画していることが27日、分かった。沖縄県内初の取り組みで、市立石川中学校の使われていない教室を改修し、2018年4月の開所を目指している。市内の認可保育所に入れない待機児童数は4月1日時点で、前年同月比202人増の333人と県内2番目に多い。市は地域の実情に応じた待機児童解消を図りたいとしている。

 市教育委員会と市こども部は昨年12月から1月にかけ、待機児童解消を目的に東京都や神奈川県を視察。県外ですでに導入されている事例を参考に、空き教室を使った保育所を市内でも設置することを決定した。

 市は、石川中学校内にある3階建て校舎の1階部分、約280平方メートルを二つに分け、特に待機児童が多い0~2歳児のための小規模保育所2園、計36人の受け入れ枠を確保する方針だ。同校の正門が手狭な点を配慮し、中学校裏手にある市有地を駐車場として活用。安全に登校できるよう調整する。

 市は9月定例議会で設置条例を提案、条例制定後に運営する保育所の募集要件や運営要項などを決めていく方針だ。

 担当するこども未来課は「中学校の空き教室に保育所を設置することで、中学生の職場体験や情操教育など学校側のメリットも大きい」と利点を強調する。市側が施設整備を担うことで民間保育所の経費削減にもつながると強調する。

 市内の年齢別待機児童数は4月1日時点で、0歳児が60人、1歳児が163人、2歳児が89人、3歳児が20人、4歳児が1人、5歳児がゼロ。(上江洲真梨子)