沖縄県内教員、非正規16% 公立小中校全国ワースト 文科省調査


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 2016年度の沖縄県内公立小中学校教員に占める臨時教員の割合は15・5%で、全国で最も高いことが27日までに文科省の調査で分かった。同様の調査で沖縄が全国一高い状態が続いており、正規教員とほぼ同じ仕事をこなす一方、身分が不安定な“非正規”教員が教育現場を支える状況に改善がみられない実態が浮き彫りとなっている。

 臨時教員の任用は地方公務員法で最長1年までとされているが、県内では年度末に教育委員会がいったん解雇し、翌年度も臨時教員として再び任用しているケースが多い。しかし、雇用は不安定で、正規教員と比べ待遇の差が大きい。

 文科省まとめでは、義務標準法に基づく16年度の全国公立小中学校の教員定数は58万1357人。うち臨時教員(正規教員の産休・育休時の代替は除く)は4万1030人(7・1%)を占めた。沖縄は教員定数8545人中、臨時教員が1325人(15・5%)で、全国水準の倍以上の割合だった。

 割合で2番目に高いのは奈良県(12・4%)、3番目は三重県(12・3%)で、最も低い東京都は1・4%と都道府県での格差も浮かび上がった。

 同様の調査で、沖縄は14年度(15・0%)、15年度(14・9%)も臨時教員の占める割合が全国一高かった。

 県教委は「単年度雇用の臨時教員では継続的な教育が困難」として、ここ数年は正規教員数を年間100人程度増やし「全国並み」を目指している。ただ特別支援学級や少人数学級などで学級数が増加する中、必要教員数そのものが増え、臨時教員も増えているため「割合の改善が追いついていない」と説明し、「全国並み」実現はめどが立っていない。

 沖教組の神里竜司書記長は「教科によっては臨時教員も確保できず他教科の臨時教員が配置されるなどの事態も起きている。採用枠の増加が必要だ」と訴えた。