沖縄の正社員求人、全国の半分 倍率0.43倍、全体は1.13倍で最高更新


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 沖縄労働局(待鳥浩二局長)が30日に発表した沖縄県内の5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0・01ポイント増の1・13倍となった。2カ月連続で過去最高値を更新したが、北海道、神奈川に次いで全国で3番目に低かった。全国平均は1・49倍だった。正社員の有効求人倍率(原数値)は0・43倍で、全国平均の0・91倍と大きな差があった。雇用情勢が一部改善する中、新規求人が伸びる一方で新規求職者は減っており、人手不足の傾向も強まっている。

 県統計課によると、5月の完全失業率(原数値)は前年同月比1・8ポイント減の3・5%だった。

 新規求人倍率(季節調整値)は前月比0・12ポイント減の1・73倍だった。全国平均は2・31だった。新規求人数(原数値)は前年同月比10・6%増の9408人で、7カ月連続で増加した。特に、サービス業、建設業、製造業、宿泊・飲食サービス業で大きく増加した。待鳥局長は「県内の雇用情勢は着実に改善している」と評価した。

 正社員新規求人数は2643人で前年同月比1・8%増。新規求人数に占める正社員求人の割合は28・1%だった。

 人手不足の傾向が強まり、過去3年間の新規求人数は2015年4月の9180人から16年は9393人、17年は1万957人と増えたが、新規求職申込数は15年4月の9519件から16年に8171件、17年に7527件と減少した。

 待鳥局長は「観光業が成長する宮古、八重山で求人倍率が全国並みに上がっているが、求職者数がなかなか増えない」と話した。

 外国人労働者の活用については「単に安価な労働力として使うのではなく、法律などの環境を慎重に整備することが必要」とし、「全国と比べて失業率の高い県内の若年層の活用にまずは取り組みたい」と話した。