[議員の仕事]橋渡し役、多忙な日々 議会、地域活動、相談…


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 7月2日告示、同9日投開票の那覇市議会議員選挙には今月12日現在、40人の定員に対し67人が名乗りを上げている。“市民の代表”に1票を投じることになる有権者は、市議会議員の仕事をどれだけ知っているだろうか。現職市議の仕事をのぞいてみた。

■定例会は年に4回

 「ブー…」。開会を知らせる大きなブザー音が議場に鳴り響く。続々と市議が集まり、円形に並んだ議席につく。

 市民の声を市政に伝える市議の“仕事場”である市議会。定例会が年に4回(2、6、9、12月)、約1カ月間開催される。議員が関心のある政策や課題について市当局に質問し、回答を引き出す代表・一般質問や、市当局が提案する予算案や条例案の内容を点検する議案聴取などがある。そのほか臨時会や各種委員会もある。議会の過半数が反対だと市の条例・予算案は通らない。大きな決定権を持つため、責任は重大。ある市議は議会に備えて「1日7冊くらい調べ物をすることもある」と話す。

■会合、勉強…

 議会がない時は市議は何をしているのだろうか。議員ごとに異なるようだが、ある男性市議は「議会がない方が忙しい」と断言する。忙しい理由は、地域やPTAなど委員・役員を務める会合への出席に追われるからだという。男性市議は多い時で24団体の会合に参加しており、昼から夜まで会合を“はしご”する日もあったと話す。会合で出た課題や疑問に市政へのヒントをもらうことも多いそうだ。夜の会合ではそのまま懇親会に突入することも。「夜に会合で食べるから朝は何も食べられないよ」と疲れ気味に話した。

 市民相談として市民から話を聞き、行政との橋渡し役を担うのも市議の仕事の一つだ。「一日のほとんどが市民相談の日もある」と語る女性市議は連絡があれば相談を聞きに赴く。休日は地域の行事に参加、時間がある時は政策や議会研究で本を開く。県外で開かれる議員向けのシンポジウムにも足を運び、先進事例などを学ぶ。「休みは意識的につくらないといけないほど忙しい」とつぶやいた。

■給料は?

 気になる市議の給料「議員報酬」だが、各市町村の条例で定められている。那覇市議の議員報酬は月58万6千円(議長は月69万4千円、副議長は月62万6千円)。6月と12月には期末手当がある。高いとみるか、安いとみるか。市民生活への貢献度合いによるかもしれない。(田吹遥子)