税額通知12人分誤配 宮古島、マイナンバー漏えい


社会
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 【宮古島】宮古島市(下地敏彦市長)は4日、市役所平良庁舎で会見を開き、企業に住民税の確定額を通知する「税額決定通知書」を2事業所12人分誤配し、マイナンバー制度の個人番号や所得額などが漏えいしたと発表した。市が各事業所の識別のため振っている「指定番号」の入力ミスなどがあり、別の事業所へ誤配された。長濱政治副市長は「関係者に不安と心配をかけて申し訳なく思う」と陳謝した。市は全員の個人番号を変更した。通知書から個人番号が漏えいするのは沖縄県内で初めて。これまで漏えいした個人番号が悪用された形跡はない。

 国は2017年度から通知書に個人番号を記載するよう規則を定めたが、全国では誤配などによる情報漏れが相次いでいる。日本弁護士連合会は4月、通知書への個人番号記載に反対する意見書を発表した。

 市によると、5月17日に市内事業所へ通知書を発送した。6月12日に誤配先の事業所から連絡があり、11人分の誤配が発覚した。これを受け13日に担当課内で再確認すると、さらに1事業所1人分の誤配が判明した。いずれも職員が指定番号を誤ったままパソコン上で入力作業を進めたことが原因だ。市総務部税務課の与那覇勝重課長は「入力のチェックが不十分だった。今後は最低3回複数で確認する」と話した。

記載なくていい

 マイナンバー制度に詳しい水永誠二弁護士の話 通知書からの個人番号の漏えいは全国で多発している。大都市を中心に番号の一部を隠したり、全く記載しなかったり、番号だけ別送したりする自治体もある。個人番号があっても地方税の徴収率が上がるわけではない。住民のプライバシーを真剣に考えたら、記載をしなくてもいいと思う。マイナンバー制度は秘密性の保持が中途半端な制度だ。そのような危険な制度を国が指示しているからと、安易に使うのは良くない。