【小6総合】夢実現へ考え深める 記事読み解き意見発表


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比屋根小学校 佐久間洋教諭

 沖縄市立比屋根小学校教諭の佐久間洋NIEアドバイザーは8日、県出身のマジシャン、MASA MAGICさんを紹介した記事を題材に、将来の夢に関する授業を同校6年1組で行った。児童40人はMASAさんが高校卒業後のアメリカ留学など、いろいろな経験をしたことを記事から読み解き、自分自身に置き換えて考え、意見を発表し合った。

 冒頭、佐久間教諭は子どもたちを前に集め「皆さんの夢は何ですか」と問い掛けた。「サッカー選手」「科学者」「先生」と次々発表の手が挙がる。次に、記事の人物は誰か知っているかを聞き、席に座り直して記事を読み解いた。

 最初に「夢をかなえるための三つのキーワードがある」とポイントを伝え、佐久間教諭が記事を読み進める。文中、難しい単語や、場面転換があると、「転機って何かな」、「何しにアメリカに行ったんですか」と、言葉の意味や内容を問い掛ける。MASAさんが米国で学んだという「話術」は何かと聞くと、児童から「いろんな国の言葉」、「催眠術を掛けるみたいな話し方」と答えが挙がった。

夢実現に向けて話し合う児童ら=8日、沖縄市の比屋根小学校

 MASAさんが米国のレストランでマジックを披露したことや、マジックへの思いについて感想を聞くと「執念深さと、努力は必ず報われる」、「勇気がすごい」などの声があった。記事から「夢を口に出す」「あきらめない」「自分を信じる」と三つのポイントを確認し、自分の夢のためにこれからできることを話し合った。児童からは「忘れ物をしない」「礼儀やあいさつをしっかりやる」などの意見が出た。

 将来の夢は駄菓子屋の店長という親川由歩(ゆきほ)さん(11)は、「久しぶりに自分の夢のことをしゃべって見直すことができた」と話した。当日は近隣の高原小学校の教諭約40人も授業を視察した。同校1年担任の稲嶺萌恵教諭は「授業の導入や最後だけでも新聞を活用してみようと思った」と述べた。

ねらい

記事の内容と自分の夢について記入したワークシート

 マジシャンになる夢を抱いて活躍しているMASA MAGICさんの記事を読んで、子どもたちが自分の夢の実現に向かって考える。今、自分がしていることや、これからやるべきことを前向きに考えようとする態度を養う。
 

進め方

1.自分の夢、めあての確認
 自分の夢について意識を持たす。MASAさんの写真だけを見せてどのような人物か聞き、記事に関心を持たす。めあて「夢を実現するためにこれからできることは何か考えよう」を板書し、理解を促す。

2.記事の読み聞かせ
 大切な所に線を引きながら聞く。記事の中から夢をかなえるのに大切なことを理解する。記事を読んでの感想、意見をペア、さらにグループで話し合う。

3.夢実現に向けて発表
 夢を実現するためにこれからできることは何かを個人、ペア同士で発表する。

実践者の一言

 単純になりたい夢のことだけに集中すればいいのではなく、日常のさまざまなことを大事にすることが夢実現につながることを意識づけたかった。日々の生活やあいさつを意識する意見も出たのは良かった。教材で使う新聞は、常にアンテナを張って、使える記事を探しておくといい。中でも子ども新聞の「りゅうPON!」「ワラビー」はルビが振られているので使いやすく、とても有効だ。