医師不足で外科外来を制限、夜間救急も一部休止 沖縄・北部病院


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 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため8月から日中の外科外来の受け付けを、現在の週4日から週3日に制限することが7日、分かった。4人いる外科医のうち1人が7月末で退職するため。また夜間(午後5時~午前8時)の緊急外来は週7日のうち、3日間は休止し、休止の日は北部地区医師会病院(諸喜田林院長)が引き受ける。北部病院の久貝忠男副院長は「医師不足問題の一端が表面化した」と述べた。北部病院では産婦人科の救急の休止も続いており、北部地域では医師不足が深刻化している。

 県立北部病院によると、制限していない日でも、心臓破裂など緊急で大手術が必要になった場合、医師が総掛かりで対応するため外科の外来を休止する。本来であれば地元で診察を受けられた患者が中部や南部の病院に搬送されることも予想される。久貝副院長は「北部の医療は危機的状況にある。内科も4人体制でぎりぎり保っている状況だ」と話す。

 現在、外科の医師は1人月9回の当直勤務がある。3人だと月12回に増えることになり、医師の過重負担から外来の制限に踏み切った。久貝副院長は「当直はほぼ眠れず、そのまま日勤に入ることもある。患者へのリスクを考えるとこれ以上は負担をかけられない。外来、救急を制限せざるを得なかった」と話す。

 北部病院では年間、外科関係だけでも6千件を超える緊急搬送がある。手術は外科だけで年間約400件。その3割が緊急手術だ。

 久貝副院長は「本来なら2倍ぐらいの人員が必要だが、まずは後任医師の確保が急務だ。確保でき次第、制限を解消したい」と話した。

 北部病院は県にも現状を報告しているが、県から具体的な解決策はまだ出ていない。(佐野真慈)