通信環境、東京同等に JPIX 地方初、沖縄に接続拠点


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JPIX沖縄の開設を発表する(左から)日本インターネットエクスチェンジの山添亮介社長と、沖縄クロス・ヘッドの渡嘉敷唯昭社長=10日、県庁

 日本最大級のインターネット相互接続拠点(IX)を運営する日本インターネットエクスチェンジ(JPIX、東京)は10日、沖縄クロス・ヘッド(OCH、那覇市)と提携して9月にも沖縄県内でIXサービス「JPIX沖縄」を開始すると発表した。新施設は県が整備した沖縄国際情報通信ネットワークを活用して東京のIXと直結する。沖縄の事業者は、東京で接続する事業者と同じ環境で国内外の通信事業者と直接データの交換ができる。沖縄からの通信が快適になり、海外企業が沖縄に進出するきっかけになりそうだ。

 国内初の商用IXとして知られる老舗のJPIXが地方に接続拠点を設けるのは初めて。接続拠点はOCHが運営する宜野座村のデータセンターに設置し、運用や営業はOCHが担う。

 IXは通信事業者同士がデータを交換し合う場。通常、沖縄―東京間の通信には複数の通信事業者の回線を経由することから、通信の遅延や速度低下の要因となっていた。JPIX沖縄に接続すれば、東京IXでつながる事業者と直接通信ができ安定性が向上する。

 JPIX沖縄では通信帯域1ギガビット当たり10万円程度の価格で接続を受け入れる予定だ。従来、沖縄からJPIXに接続するには、専用の回線代だけで月500万円程度(1ギガビット回線)の費用がかかっていた。東京―沖縄間はサービス開始当初は10ギガビットでリンクするが、需要に応じて拡張していく。

 JPIXはコンテンツ事業者のほか、マイクロソフトやグーグル、アマゾンなどクラウドコンピューティングサービスを提供する事業者ともつながっている。県内でシステム開発をしている事業者にとっても、より安定した環境でクラウドサービスを使うことが可能となる。

 アジアの事業者にとっても、沖縄に事業所を設置しJPIX沖縄に接続すれば沖縄国際情報通信ネットワークと直接つながる香港やシンガポールとのデータのやりとりも容易になり、国内へのコンテンツ配信で優位性を発揮する。