PAC3訓練公開 空自「国民の安心感醸成」


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 航空自衛隊南西航空方面隊は10日、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を報道陣に公開した。北朝鮮による相次ぐミサイル発射を背景に、訓練を公開することで国民の安心感醸成を図るとしている。

報道陣に公開された地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練。左端が発射機=10日、八重瀬町の陸上自衛隊南与座分屯地

 沖縄県内でPAC3は、航空自衛隊那覇基地、知念分屯基地(南城市)の2基地に配備されている。機動展開訓練が報道陣に公開されるのは13年の県内配備以降初めて。機動展開訓練は、PAC3が所在する基地から指定の場所へ移動し、発射可能な態勢を確立するまでの一連の作業を確認する。

 10日の訓練では発射台を含む約10台の車両が、知念分屯基地から展開先に指定された陸上自衛隊南与座分屯地(八重瀬町)に移動し実施した。約35人の隊員が参加し、南与座分屯基地内でレーダー車やアンテナ車、発射台などを所定の位置に配置し、発射機を左右に動かすなど動作を確認した。

 訓練指揮官を務めた久米田昭二等空佐は、訓練公開の意義について「北朝鮮による弾道ミサイルの発射が相次ぎ、国民が不安に思っている中、訓練を公開することで国民の安心感の醸成に寄与できる」と狙いを語った。