冷凍県産野菜の出荷拡大へ 生産過程を全自動化 グリーンフィールド


この記事を書いた人 平良 正
冷凍県産ゴーヤーを箱詰めするグリーンフィールドの作業員=11日、那覇市

 カット野菜など農産物の生産や加工を手掛けるグリーンフィールド(那覇市、大城正雄社長)は、冷凍県産ゴーヤーなどの沖縄県外出荷体制を強化する。今年は年間約120トンの冷凍県産ゴーヤーを製造する予定で、本年度中に生産過程を全自動化し、今後は年間約3倍の400トンの生産が可能となる。

 沖縄野菜プロジェクト協同組合(那覇市)とも連携し、県産野菜を使ったスープやレトルトカレーなどを開発して県産野菜のさらなる販路拡大を図る。

 現在県外や海外への出荷量は全体の1割にとどまっているが、2022年までに3割へ伸ばす。売上高も現在の2倍を目指す。

 グリーンフィールドは本年度、沖縄総合事務局の「沖縄国際物流拠点活用推進事業補助金」に採択され、県外出荷するための冷凍県産ゴーヤーなどへの設備投資や、県外と海外への販売促進に活用する。新設備の総費用は約6800万円。

 同社は2014年から県外大手コンビニに年間約20トンの冷凍県産ゴーヤーを出荷し、首都圏の一部でゴーヤーチャンプルーに活用された。今年は約70トンの出荷を見込んでおり、さらに同コンビニは全国の店舗へも同商品を販売する意向で、年間400トンの出荷を求めた。グリーンフィールドは新たな需要に応じて、設備投資を決定した。

 大城洋専務は「機械導入により、人の負担も減る。現在1日約8時間で冷凍県産ゴーヤーの機械を稼働しているが、新機械の導入により今後1日当たり倍増の15~16時間を稼働したい」と述べた。

 これまではカット野菜など素材だけを販売してきたが、今後はすぐ食べられる食品の開発も手掛ける。大城専務は「香港など海外の商談会では、素材よりすぐ食べられる物のニーズが高かった。今後『美』をコンセプトとした食品を開発し、県内外へ売り込んでいきたい」と意気込んだ。(呉俐君)