宮崎産に負けない! 沖縄マンゴーの挑戦


社会
この記事を書いた人 大森 茂夫

 沖縄産マンゴーの中でも糖度15度以上、重さ460グラム以上という高糖度・大玉品を厳選した最上級マンゴーの統一ブランド「美らマンゴー」の2017年産の競り価格が、11日時点で1キロ当たり平均4万1千円と前年の3倍近い高値を付けて好調に滑り出してる。沖縄は日本最大のマンゴー生産地だが、1キロ当たり5千円の値を付ける「太陽のタマゴ」を擁する宮崎産にブランド戦略で後れをとってきた。宮崎産よりも厳しい基準を設けた新ブランドで、沖縄産の“復権”を図る。

 県が商標を取得し、JAおきなわが出荷する「美らマンゴー」は、「県産マンゴー全出荷量の0・01%しかない」(JA)とも言われ、現在のところ東京の市場でしか流通していない。

 全県の主な集荷場に糖度センサーを配置し、糖度15度以上、大きさは3L(460グラム)以上、色は全体が真紅の色であることなど、「太陽のタマゴ」を上回る厳しい基準に達した果実だけに「美らマンゴー」の名が冠せられる。同じ箱に詰める果実のサイズや色合いがそろわなければ出荷対象とならない。

 2013年から集荷場で果実を選ぶ体制をとってきたが基準に達するマンゴーが出ず、出荷ができたのは15年産になってからだ。

 16年産は1キロ当たりの平均価格が1万4515円で取引され、宮崎の「太陽のタマゴ」を上回る。ただ、美らマンゴーの同年の取引量は33キロにすぎず、宮崎産の15%を占める「太陽のタマゴ」に比べて流通量は圧倒的に少ない。

 今月6日に東京・大田市場で行われた美らマンゴーの初競りでは1キロ15万円のお祝儀相場が付き、昨年の8万円を上回って県産マンゴーの最高値を更新した。17年産は出始めで11日時点の取引量は12キロと限られるものの、平均価格は高値で推移する。JAおきなわ営農販売部は「他の市場からも引き合いが強く、まだまだ需要はある」と語る。

 マンゴー農家の赤嶺智英さん(62)=豊見城市=は「実の色の付け方も難しく作れる量は限られているが、やりがいを感じる。工夫を重ねて生産を拡大していきたい」と意気込む。(知念征尚)