沖縄科学技術大学院大学(OIST、ピーター・グルース学長)の研究支援職員の男性(当時37)が昨年11月、本部半島と伊江島の間の「伊江水道」で潜水作業中に死亡した事故についてOISTは12日、事故対策外部検討委員会がまとめた報告書をウェブ上で公開した。報告書は事故の要因を「ずさん、自己過信、準備不足な潜水計画と、それを検証せずに任せきりにしたプロジェクト進行」と指摘。安全への意識が希薄な組織管理がそれを後押ししたとし、事故が「回避が十分に可能だった」と結論付けた。さらに「再び事故を起こす可能性が高い」とし、大学に対策を求めるとともに警鐘を鳴らした。
報告書公表を受け、OISTは同日、恩納村の同大で記者会見を開き、ニール・コールダー広報担当副学長は「ダイバーのご家族の方、今回の事故で心が傷ついた皆さんに対して、心より遺憾の念を表明する。今後はあらゆる手段でこうしたことが二度と起きないように取り組みたい」と述べ、再発防止を強調した。再発防止の具体策として安全管理者の採用や、災害に特化した担当者の新設・採用を挙げた。
ただ、報告書で指摘された内容については「深刻な弱点が明らかになった。弱点の改善に役立つ」と述べるにとどめた。事故関係者の処分については「3人に厳重注意をした」としたが、職位などは守秘義務を理由に明かさなかった。