那覇空港のターミナル新設を 沖縄経済界、新滑走路後の容量限界で国に提言へ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
那覇空港拡張整備促進連盟による第2滑走路建設予定地の視察=14日、那覇空港

 沖縄県内の主要経済団体や行政機関などで構成する那覇空港拡張整備促進連盟の総会が14日、那覇市内であり、2本の滑走路の間を埋め立てて新たな旅客ターミナル施設を新設することを軸に、空港機能拡充の中長期構想をまとめるとした事業計画を承認した。那覇空港のさらなる機能整備に向けて、国などへの要請活動を年内に開始することも確認した。

 総会では、石嶺伝一郎県商工会議所連合会会長を促進連盟の会長に選出した。

 石嶺会長は「入域客が順調に増えているが、現在の旅客ターミナルの位置ではエプロン(駐機場)の拡張に限りがある。混雑で遅延が慢性化し、他の空港の運用にも支障を来している」と課題を指摘。その上で「第2滑走路を使う航空機は第1滑走路を横切らなくてはならず、一時停止が生じる。2本の滑走路の能力を最大限生かし切れないことが明らかだ」と述べ、将来的に2本の滑走路間に旅客ターミナルを移動することの必要性を強調した。

 2本目の滑走路が完成した後に航空機が発着できる能力(滑走路処理容量)について、国土交通省大阪航空局は年間18万5千回(回転翼機、深夜発着機は含まない)と算定しているが、那覇空港の15年度の発着回数は既に15万7千回まで達している。

 処理容量の試算が現状と比べて大きく伸びないこともあり、経済界からは滑走路完成後も空港機能の拡張に向けた整備を求める声が上がっていた。

 促進連盟では、滑走路が2本になった那覇空港の新たな機能や施設を展望する中長期構想の検討を進めながら、9月下旬に「大那覇空港シンポジウム(仮称)」を開催して県民の関心を高めていくことを計画している。総会では、促進連盟前会長の国場幸一氏(国場組会長)が顧問に就くことも報告された。