軍港浦添移設、南側案容認へ 地元合意が前提 防衛省


この記事を書いた人 大森 茂夫

 那覇軍港の浦添移設で、防衛省が浦添市の提案する牧港補給地区沿岸の南側への移設案に理解を示し、地元の合意を前提に「南側案」を容認する意向を示していることが分かった。防衛省はこれまで県や那覇市が支持する現行計画の「北側案」を評価していたが、受け入れ先の浦添市に配慮した。民港と軍港を一体とする南側案で移設協議会(県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合)が合意した場合、防衛省が米軍と浦添案に沿った軍港移設について協議することになる。

 浦添市は7月末に南側移設に伴う課題に対応する改善案の策定に向けた懇話会を発足させ、9月をめどに民港と軍港を南側で一体とする案の策定を進める。松本哲治浦添市長は8月上旬にも翁長雄志知事と城間幹子那覇市長と面会し、南側案に理解を求める方針。

 ただ、県などは「将来的な物流の需要増を見込んでおり、民港と軍港が一体となる南側案は運用に支障が出る」との見方を示しており、南側案で合意形成できるかは不透明だ。

 浦添市は西海岸開発地区と米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の返還予定地を一体化したリゾート開発を計画しており、南側案について(1)より景観が保全できる(2)埋め立て面積を減らすことで、自然環境への影響を低減できる-などとしている。(松堂秀樹、仲村良太)