【名護】県のチョウ「県蝶(ちょう)」制定に向けた「チョウの野外観察会」(主催・県の蝶制定県民の会、琉球新報社、共催・医療法人陽心会)が23日午前10時、名護市の勝山公民館を出発点に始まった。参加者ら約50人は公民館近くにある嘉津宇岳や今帰仁村の乙羽岳に向かって歩き、道中で出会ったシロオビアゲハやアオスジアゲハ、アカアゲハなどのチョウを観察した。観察会は午後1時すぎまで行われた。
県蝶の有力候補として名前が挙がっている県指定の天然記念物コノハチョウやフタオチョウも見ることができた。色鮮やかなコノハチョウの雄2頭が縄張りを巡って体をぶつけてけんかを始めると、参加者の目はくぎ付けになった。「すごいね」「あっちあっち」と指をさし、熱心に見入った。
乙羽岳では、事前にえさとして仕掛けていたパイナップルの近くをフタオチョウ2頭が飛ぶと、参加者から歓声が上がった。
県の蝶制定県民の会の大城安弘会長は「今回の観察会は県蝶制定に向けて多くの人にチョウについて知ってもらうために開催した。フタオチョウは数が少なく、見ることも難しい。今回の目的であったコノハチョウとフタオチョウを見ることができて良かった」と話した。
県民の会は11月までに県民投票を実施し、会が選ぶ県蝶候補を決める予定だ。県民の会は6月に県民投票で選ばれた種を県蝶にするよう、翁長知事に陳情した。【琉球新報電子版】