大型MICEに3団体が仮予約 11ホテルも関心 富川副知事表明


この記事を書いた人 大森 茂夫
MICEの経済効果などについて説明する富川盛武副知事=県庁

 沖縄県の富川盛武副知事は24日までに琉球新報のインタビューに応じ、2020年9月の開業を目指す大型MICE施設に、10万~3千人の動員が期待できる3団体が仮予約していることを明らかにした。ホテル運営企業11社もエリア周辺での建設に高い関心を示しているという。政府が施設の採算性などで疑問を呈し、施設整備に必要な一括交付金の交付決定が遅れているが、富川副知事はイベント開催などの需要を具体的に示し、一括交付金の年度内交付に強い決意を示した。

 県は大型MICE施設の経済波及効果を毎年603億円に上ると試算。需要推計では、当初開業11年まで赤字になるとしていたが、開業6年目で千人以上の催事が年124件あると設定し、運営業者が自己収支で採算を確保できるとの見通しを示した。富川氏は「ホテルの関心やイベント開催要望を背景に潜在需要を掘り起こしていけば、(黒字転換を)12年から6年に短くするのはおかしくない」と強調した。

 大型MICEでのイベント開催の要望については展示会、商談会、各種会議を開催する意向の団体や企業が多数存在していることを指摘。県によると、2020年の沖縄開催が決定した世界最大級の観光総合見本市「ツーリズムEXPOジャパン」(来場者規模10万人)や、自動車関連の見本市(同1万3千人)、医学関連の学会(同4千人)などを開催の要望として見込んでいる。

 そのほか仕切りのない状態で4万平方メートル程度の会場が確保できることを条件に開催に意欲を示す展示会が15あり、富川氏は大型MICE開催の需要は裏付けがあると強調した。

 富川氏は「展示会は1回やると、それ以降継続して行うことが多い。東京五輪で周辺会場が使えない2020年に展示会を誘致するのは大きな意味を持つ」と語り、20年利用開始に強い意欲を見せた。(玉城文)