農業特区指定に前向き 外国人受け入れ、農用地内レストラン 知事要請に山本地方相


この記事を書いた人 大森 茂夫
地方視察で沖縄を訪れ、翁長雄志知事(右)と会談する山本幸三地方創生担当相=23日午後、那覇市の県庁

 山本幸三地方創生担当相は23日、地方視察で沖縄を訪れ、県庁で翁長雄志知事と会談した。翁長知事は国家戦略特区制度に関し、農業分野への外国人労働者の受け入れや農用地内での農家レストラン運営について特区指定の申請をする意向を示し、支援を求めた。山本氏は会談後、知事の要請について記者団に対し「ぜひ(特区指定の申請に)手を挙げていただきたい。その資格を十分に持っているので、われわれとしてもぜひ前向きに考えていきたい」と述べた。

 翁長知事は会談で「特に離島では、農業の関係で外国人の特区をお願いしたい。農家レストランが農用地内でできない。農用地内で手軽にすれば観光にもつながっていくが、まだできない。これから意欲的に特区申請するので、ぜひ支援いただきたい」と要請した。

 山本氏は会談で「(地方に移転する企業への優遇税制の)移転税制も活用いただきたい。沖縄の市町村にも(自治体に官僚を派遣する)シティーマネジャーにもっと手を挙げてもらいたい。沖縄は少ないので、ぜひ知事から皆さん方に手を挙げてもらえるようにお願いしたい。国家戦略特区も規制を変えてほしいことがあれば、ぜひ(申請を)上げてほしい」と協力を求めた。

 山本氏はこのほか、那覇空港の沖縄貨物ハブや第2滑走路建設の状況、久米島の海洋深層水施設、沖縄ツーリストのムスリム観光客(イスラム教徒)への取り組みなども視察した。

 那覇空港では、沖縄総合事務局那覇港湾・空港整備事務所の坂井功所長から第2滑走路建設工事について説明を受けた。

 沖縄ツーリストでは東良和会長から、食物アレルギーのある子どもにも旅行を楽しんでもらえる企画について説明を受けた。東会長は「沖縄の観光を次のステージへと導けるように努力している」と強調。これに対し山本氏は、ムスリムの観光客が何に興味を示しているのかなどと質問した。