シークヮーサー効能で特許申請 果実で2例目 機能性効果を確認


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シークヮーサーの機能性研究の成果を発表するクロックワークの伊志嶺哉社長=27日、沖縄県名護市

 JAおきなわと共に沖縄特産のかんきつ類、シークヮーサーの機能性研究を行っているクロックワーク(那覇市)の伊志嶺哉社長は27日、名護市民会館で講演し、シークヮーサーの果実に脂肪の燃焼促進や血糖値の低下、抗炎症作用、肝機能改善の効果を確認し、25日付で研究成果を特許申請したことを明らかにした。

 2018年度には機能性表示の取得も進める考えも示し「シークヮーサーの機能性をパッケージに書き、消費者にアピールできるようになる」と意義を語った。

 シークヮーサーの果実そのものを機能性に関する特許申請の対象とした。果実自体を申請するのは全国でも北海道のギンマメに続いて2例目という。

 有効成分ではなく、沖縄シークヮーサー自体の効果とすることで「外国産から有効成分のみを精製して販売するといった研究成果のただ乗りを避け、沖縄シークヮーサーのブランド力を向上できる」と狙いを語る。県内ではウコンに含まれるクルクミンでも機能性の研究が進んでいたが、県外大手メーカーが安価な外国産で抽出して量産した例もあり、再発を防ぐ考えだ。

 ただ、有効成分と見られるノビレチンやタンゲレチンなどの濃度は収穫時期によって差があり、9~10月の早い時期に収穫されたものに多く含まれる。伊志嶺社長は「機能性表示が取れるとしたら9~10月に収穫されたものに限られる可能性がある。品質管理が重要になる」と強調した。

 クロックワークは16年度に産業技術総合研究所に依頼し、人の細胞にシークヮーサーの乾燥粉末をかけて効果を調べた結果、抗炎症作用などを促すスイッチの役割をする「因子」を、市販の医薬品レベルで活性化させることを確認していた。