「南側案」理解求める 浦添 軍港移設、懇話会検討へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【浦添】浦添市は28日、那覇軍港移設を協議する第1回浦添市西部開発に関する懇話会を開催した=写真。沖電工専務で元県土木建築部長の當銘健一郎氏を座長に選出した。市側はこれまでの移設問題の経緯を説明し、浦添案として民港と軍港を一体として埋め立て面積を縮小する「南側案」への理解を求めた。懇話会は南側案と現行の北側案の双方を運用や安全面などから検討し、9月末までに改善案を取りまとめて浦添市に提言することを確認した。懇話会の冒頭、松本哲治浦添市長は「軍港の移設も含めた浦添市の西海岸開発は浦添だけでなく沖縄の将来を左右する。素晴らしい未来を描く第一歩になることを祈念したい」とあいさつした。

 當銘座長は「実現可能性の高い計画案を提示していくことが必要だ。懇話会だけでなく、防衛省や国交省らの意見にも耳を傾けつつ、総合的に判断したい」と話した。
 懇話会は9月まで計3回開催する予定。市が掲げる浦添埠頭(ふとう)内の南側への移設を巡っては、県などが物流の需要増への対応や、民港の運用に支障が出ると懸念を示しており、懇話会ではこうした懸念についても南側案を改善することで技術的に対応可能か検討する。
 懇話会の委員は以下の通り(敬称略)。
▽座波博史(日本港湾空港建設協会連合会副会長、県港湾空港建設協会会長)
▽山城治(土木コンサルタント技術者)
▽下地惠典(市民代表)
▽宮城政司(浦添市軍用地等地主会)
▽胡宮なりえ(女性団体)
▽真喜屋美樹(学識者、軍用地跡地利用等)
▽宮城敦(学識者、環境土木)
▽堤純一郎(学識者、県環境影響評価審査会副会長)
▽上地文勝(西海岸開発第一ステージ大型商業施設社長)