風格の演奏響く 人間国宝・西江さん “地元”伊是名で公演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【伊是名】伊是名島スポーツ・文化・芸能等活動支援チャリティー公演「人間国宝 西江喜春組踊公演」(同公演実行委員会主催、琉球新報社共催)が22日、伊是名村産業支援センターホールで開かれた。会場には多くの観客が集まり、一流の芸能を堪能した。組踊音楽歌三線の人間国宝、西江さんは、祖父が伊是名島出身。開幕前には、三線に取り組む伊是名の小中学生と一緒に「安波節」を演奏した。

風格あふれる歌三線で観客を魅了した人間国宝の西江喜春さん(中央)=22日、伊是名村産業支援センターホール

 幕開けは安冨祖流絃声会西江喜春研究所と野村流音楽協会伊是名支部、伊是名郷友芸能協会、琉球箏曲興陽会による「かぎやで風節」「長伊平屋節」「ゆらてぃく節」で幕開け。組踊「手水の縁」では西江さんが地謡を務め、「干瀬節」「仲風節」など人間国宝の風格あふれる美しく力強い見事な歌声を会場に大きく響かせ、集まった観客を魅了した。その後、西江さんから前田政義村長へ収益金が贈呈された。

 第2部では伊是名郷友芸能協会による舞踊6題が披露され、会場を盛り上げた。アンコールの声が掛かると、西江さんは「ナークニー」を披露した。

 西江さんは「地元で公演するのは人間国宝としての私の使命だと思っている」と話し、「また、豊年祭の時に訪れ、島の村芝居を見たい」と、伊是名島への強い思いを語った。

 立方の神谷武史さんは「伊是名は芸大生の時からたびたび訪れた縁のある島。観客の組踊への理解が高いことを感じた」と話した。(比嘉陽子通信員)

西江さんと共演する伊是名の児童生徒たち