普天間4ヘクタール先行返還 全体の0.8%、市道整備予定


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垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが駐機する米軍普天間飛行場(2017年6月撮影)

 米軍普天間飛行場(約481ヘクタール)の一部約4ヘクタールが31日、先行して返還された。返還地は普天間飛行場の東側に沿った約2キロの細長い区域で、全481ヘクタールのうちの約0・8%。宜野湾市は「市道11号」の整備を予定している。

 政府は8月1日に宜野湾市で返還式典を開く。ただ、稲田朋美前防衛相の辞任など政治の混乱で、当初予定された菅義偉官房長官ら閣僚の出席は見送られた。

 政府には沖縄の基地負担軽減に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるが、早期の全面返還を求める県側との溝は大きい。名護市辺野古移設を巡り政府と県は激しく対立。全面返還の具体的見通しは立っていない。

 返還地については菅官房長官と当時のケネディ駐日米大使が2015年12月、17年度中の先行返還を発表した。

 菅氏は発表で「沖縄の皆さまに政府の取り組みを実感していただく」と強調。一方の翁長雄志知事は一定の評価を示した上で「飛行場の危険性除去に直接つながらない。除去の取り組みを早急に示してもらいたい」と訴えた。

 日米両政府は1990年6月に約4ヘクタールの返還に向けた調整で合意したが進展がなく、96年4月に全面返還に合意。時期は「2022年度またはその後」とされている。前提として政府が進める辺野古移設への反対は強く、県は今月24日に移設工事差し止め訴訟を起こした。