新基地抗議の市民排除で人権調査 米ジュゴン訴訟弁護団


この記事を書いた人 志良堂 仁
新基地建設阻止を訴えるため米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込む市民=1日午前10時17分、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で1日、米国ジュゴン訴訟弁護団が辺野古新基地建設に抗議する市民に対して人権侵害が行われているとして人権問題調査を実施した。弁護団の弁護士5人が辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、機動隊による抗議市民排除の様子を注視している。

 ゲート前では約30人の市民が座り込み、新基地建設阻止を訴えた。市民が「権力乱用やめろ」「人権弾圧やめろ」などと抗議する中、午前8時45分ごろ、工事用車両の到着に合わせて機動隊が市民をごぼう抜きした。9時すぎまでに、工事用車両計56台がゲート内に入った。
 米国ジュゴン訴訟弁護団の中島万里さん(36)は「強制排除の実態は本土でほとんど報道されていない。調査結果をまとめ、本土の人々に現状を発信したい」と話した。
 同弁護団の調査は4日まで予定されている。4日、県政記者クラブで調査結果を踏まえた会見が開かれる。
 一方、シュワブ沿岸、埋め立て区域北側のK9護岸工事現場では、クレーンが消波ブロックを護岸南側に積む作業が続いた。台風対策とみられる。沖縄防衛局の作業員が護岸先端付近で測量作業する様子も見られた。シュワブ沿岸の他の工事現場では、午前10時現在、目立った作業は確認されていない。【琉球新報電子版】