本部町パイン産地化へ 新ブランド本格出荷


この記事を書いた人 平良 正
県農林水産部の長嶺豐農業振興統括監(左)に「もとぶかりゆしゴールド」を寄贈する本部町の平良武康副町長(中央)=3日、県庁

 本部町の平良武康副町長が3日、県庁を訪れ、パイナップルの新ブランド「もとぶかりゆしゴールド」の産地化の取り組みを報告した。甘味が強く果汁も豊富で、芯まで食べられる柔らかい食味が特徴。今期の出荷は農家8戸で10トンと少量ながら、本部町に来た人しか味わえないなど付加価値を高める販売戦略を仕掛ける。出荷最盛期の8月中旬にかけて食べ頃を迎える。

 本部町ではかつてパイン缶詰工場が2カ所あるなど加工用パインの生産が盛んだったが、輸入自由化に押されてパイン生産は衰退した。再び産地化を目指し、2014年から県の「デリシャスパインアップル推進事業」で新品種の苗3万本を導入し、生果用のパイン生産を始めた。

 昨年「もとぶかりゆしゴールド」のブランド名を付け、今年から本格的な出荷を迎える。将来的には農家20戸で出荷量100トンを目標にする。

 町内のもとぶかりゆし市場を拠点に販売し、海洋博公園では串に刺したスティックタイプで提供している。糖度17度以上、重さ2キロ以上の大玉品を厳選して木箱に入れた「プレミアムもとぶかりゆしゴールド」は1万円(税抜き)。3万円以上のふるさと納税の返礼品にも活用する。

 平良副町長は「400万人余の観光客が訪れる本部町で、亜熱帯の一番おいしい果物として販売する。半島の先で地平線に沈むまで太陽を浴びて甘みを増す。(本部町は)いいものつくる条件は日本一だ」と語った。