内間「東京、絶対出る」 リオ五輪自転車ロード代表 英気養い、さらに高みへ


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 自転車ロードレースでリオデジャネイロ五輪日本代表の内間康平(28)=北中城高-鹿屋体育大出=が、県内でトレーニングを行っている。2017年シーズンを前に、イタリアに拠点を置くロードレースチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」に移籍。世界2番目のカテゴリー「UCIプロコンチネンタルチーム」に所属するチームで、世界舞台での活躍を胸に臨んだ矢先、6月の全日本選手権でクラッシュに巻き込まれ、初めて大けがを負った。リオ五輪を経験し、20年東京五輪出場へ人一倍意欲を見せる中、治療と「復帰」へ向けた練習に専念する内間に今後の抱負などを聞いた。(聞き手 屋嘉部長将)

地元沖縄で練習に励む内間康平=北谷町のアラハビーチ(大城直也撮影)

 ―イタリアの「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」に加入した。どのような心境か。

 「上から2番目のカテゴリーに所属するチームで、世界のトップの選手が集まるレースを走る。加入が決まった時はすごくうれしかった半面、厳しいレースになると思った。現在は、チームのエースをサポートする役目で走っている。実際に参加してみるとすごくレベルが高い。日本のエース級は当たり前にいて、ゴールに向けて最終盤でのスピードが違う」

 ―その中で6月の全日本選手権で落車し、けがをしたと聞いた。

 「下り坂で、前方で落車した自転車をよけようとして、そのまま転んでしまった。すぐに走り始めたが、息ができないくらい痛みが出てきて棄権した。レースには落車がつきものだが、しっかり準備した物が一気に崩れたので悔しい」

 ―けがで自転車に乗れない時期もあったそうだが、練習を開始した。現在はどのような状態か。

 「肋骨(ろっこつ)骨折と肺挫傷で全治1カ月と言われた。16日間ぐらいは自転車に乗れなかった。体がなまっていることを感じて、動きたくても動けないので、もやもやもあった。今は軽くサイクリングをする程度にしている。8月中旬に復帰できるように練習していきたい」

 ―リオオリンピックを振り返って、どう思うか。

 「五輪に出場できたことが昨シーズンの一番大きな出来事だった。日本から2人しか出場できず、(新城幸也を含め)沖縄出身の2人で出られたのは大きなニュースだ」

 「選ばれるまではオリンピックは気にしていなかったが、出場していかにすごい大会かが分かった。自転車競技に興味なかった人も見てくれるので、今までにない注目があって、プレッシャーも強く感じていた」

 ―リオのコースは実際走ってみてどうだったか。

 「平たんな道でも石畳があったり、丘が連続してあったりし、常に目が離せないようなコースで観客からすると、エンターテインメント性があって楽しめたと思う。しかし、めちゃくちゃきつかった。このコースに向けて機材をセッティングしたが、機材トラブルが起き、途中棄権になるなどすごく厳しかった」

 ―今後の目標を教えてほしい。

 「次のオリンピックが東京と決まり、絶対に出たいと思った。リオでオリンピックの難しさなどを実感した。さまざまな経験を積み、東京に出場できるようにしたい。現在のチームでもチャンスがあれば、最後まで走り抜いて勝てるようなレースをしたい。そのために、力だけでなく技術を身につける必要性を感じている。沖縄でも多くの若い選手が出てきて、うれしいし、刺激になってレベルは上がっていくと思う。自分も彼らの目標になるような選手になりたい」