「ステーキ88」海外進出 10月に香港、アジア展開へ


この記事を書いた人 琉球新報社

 沖縄独特の食文化としてステーキを定着させてきた老舗で、外国人観光客からも人気を集める「ステーキハウス88」が今秋から海外に進出する。ステーキハウス88を経営する沖縄テクノクリエイト(那覇市、金城康次社長)は「88の日」の8日、アジア展開を担う子会社「88インターナショナル」を設立した。10月に香港の繁華街・銅鑼湾に海外1号店を開店し、台湾や中国、シンガポールなどへも店舗を広げていく。

沖縄発で、ステーキハウスのアジア展開に挑む88インターナショナルの金城康樹社長(右)とBRIDGESの又吉真由美社長=8日、那覇市のステーキハウス88Jr.松山店

 88インターナショナルの社長には、沖縄テクノクリエイト常務の金城康樹氏が就いた。えん沖縄などを経営するBRIDGESの又吉真由美社長、中国の海南航空などを傘下に持つ海航グループ日本地区最高経営責任者(CEO)の陳源氏も出資し、物流や商流の面でアジアでの店舗展開を後押しする。

 ステーキハウス88は1978年に那覇市辻に本店が開業した。アメリカンサイズのステーキを安く提供し、地元客に親しまれてきた。県内9店舗で展開し、近年はアジアからの観光客の来店が急増し業績を伸ばしている。

 アジア展開では10年間で88店舗、売上高100億円以上を目標にする。沖縄と同じリーズナブルな肉をはじめ、県産和牛や石垣牛をメニューに取り入れる。

 金城社長は「コストパフォーマンスの高いステーキが沖縄の食文化として受け継がれ、今では観光客の間にも沖縄に来ると安くてうまい肉が食べられるという認識がある。リーズナブルでボリュームのあるステーキ文化をアジアでも提供していく」と意気込む。

 沖縄食材を使った飲食店を香港で経営してきたノウハウで出店を支援する又吉社長は「88という老舗ブランドを通して、沖縄をハブにした物流をアジアに広げたい」と期待した。