イチゴを水耕栽培 大宜味に植物工場 沖縄セルラー


この記事を書いた人 平良 正
(上)沖縄セルラー電話が大宜味村で日清紡ホールディングスのノウハウを活用して始めるイチゴ水耕栽培(日清紡HD藤枝事業所提供)(下)大宜味村で始めるイチゴの水耕栽培についてPRする大宜味村の宮城功光村長(左)と沖縄セルラー電話の湯淺英雄社長=9日、大宜味村役場

 【大宜味】沖縄セルラー電話(那覇市)の湯淺英雄社長は9日、大宜味村役場で会見し、11月から県産イチゴの新ブランド「美ら島ベリー」の水耕栽培を始めると発表した。大宜味村が建設した塩屋の企業支援賃貸工場に入居する。県内初の取り組みとして、ICT(情報通信技術)で温度や湿度などを制御しながら完全密閉型の施設でイチゴを水耕栽培する。

 栽培施設は約1億8千万円をかけて、完全密閉型施設に人工光や空調を整備。徳島県や静岡県の植物工場でイチゴを栽培している日清紡ホールディングス(東京)のノウハウを活用する。

 工場床面積は1176平方メートルで、村内で新たに5人を採用する予定。年間の栽培株は約2万株、売り上げは約5千万円を目指す。最初の収穫は2018年5月頃になる見込み。

 大宜味村役場で会見した湯淺社長は「イチゴの栽培は非常に難しく、多くは県外から購入しないといけない。おいしい朝どれのイチゴを県内で提供していきたい」と語り、大宜味村での事業について「水が大きなポイント。天然の水を活用して、地産地消で沖縄を代表するイチゴを目指していきたい」と意気込んだ。

 宮城功光村長は「おいしいイチゴが県内外に提供されることを期待している」と語った。

 沖縄セルラー電話は14年から農業ビジネスの新規事業化を進めており、南城市玉城に遠隔監視制御システムなどを備えた植物工場を建設し、レタスなど葉野菜の生産を行っている。農薬不使用で安全・安心を売りにした「みらい畑」ブランドで販売するほか、家庭用のIoT水耕栽培キット「やさい物語」の開発も手掛けている。