「日本の独立は神話」 沖縄県民大会で知事、オスプレイ飛行容認を批判


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沖縄県民大会であいさつする翁長雄志知事=12日、那覇市の奥武山公園陸上競技場

 沖縄県の翁長雄志知事は12日、那覇市で開かれた米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設などに反対する県民大会で、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがオーストラリアで墜落したことについて「県民が危惧した通りの状況になっている。憤慨に堪えない」と批判した。

 事故後、日本政府の「自粛」要請を無視して米軍がオスプレイの飛行を強行し、その後政府が飛行を容認したことに対しては「米軍が運用上必要と言えばすぐに引き下がる。日本の独立は神話だと言わざるを得ない」と述べた。辺野古の埋め立て承認を撤回する意向も重ねて表明した。

 大会後、記者団に「時期は前もって話すものではないが、必ず撤回することになると思う」と述べた。

 大会で「県の再三の要請にも行政指導にも応じず、国ともあろう者が法令をすり抜けることに心血を注ぎ、強硬に新基地建設を推し進める姿勢は、自らが常々述べている法治国家という言葉には程遠い」と強く批判した。その上で「このように工事を強硬に推し進める状況は、必ず埋め立て承認撤回につながっていく」と強調した。

 さらに「今後も県民に対するいかなる差別的、犠牲的な扱い、基地負担の押し付けに反対し、オスプレイの配備撤回、辺野古新基地建設反対、普天間飛行場の閉鎖・撤去の実現に取り組んでいく不退転の決意を皆さんに約束する」と述べた。

 あいさつの最後に「子孫(くゎうまが)のために、うやふぁーふじぬ思(うむ)い、肝(ちむ)にすみてぃ、命(ぬち)かじりちばらなやーさい」(子や孫のため先祖の思いを胸に刻み、命の限り頑張りましょう)と、うちなーぐち(沖縄の言葉)で呼び掛けた。