着艦失敗の原因「操作手順ミス」 15年の米軍MH60ヘリ、沖縄東沖事故 報告書に詳細説明なし


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
艦船への着艦に失敗し機体が折れた米軍ヘリコプター=2015年8月、沖縄県うるま市の東海岸沖

 2015年8月に沖縄県のうるま市伊計島南東の海上で、米軍MH60ヘリが米海軍艦船への着艦に失敗し、墜落した事故で防衛省と外務省は17日、米側から提供のあった事故原因や再発防止策に関する報告書を発表した。事故原因については「パイロットが機体の位置を移動させようとした際に操作手順を誤ったことによる」と人為的ミスだとしたが、詳細は説明していない。米側の提供は今年4月12日で、公表はそれから4カ月後。全文は17日時点で公表していない。

 政府の発表はA4紙3枚だけ。それによると事故機は米ワシントン州のルイス・マコード合同基地の米陸軍第160特殊作戦航空部隊所属。当時、MH60ヘリ3機で米軍嘉手納基地から飛び立ち、ロープによる降下訓練を計画していた。

 事故機は艦船の左舷から船首上空に移動した際、回転翼が船首マストのはしごに接触し、甲板上に「不時着艦」したとしている。その上で「機体自体に事故原因となるようなものは確認されなかった」とし、事故原因は人為的ミスだとした。

 ただ操縦士がどのように「操作手順を誤った」のか、状況の説明はなかった。

 政府によると米軍は再発防止策として、当該部隊の全ての搭乗員と地上部隊員に対し、手順を再確認する訓練などを実施した。また後日、改めて調査結果の内容を隊員に説明し、安全手順の確認などを行った。