【宮古島】宮古島市平良のひよどり保育園の花城千枝子園長(69)は、自作の絵本を制作し子どもたちに読み聞かせをしている。創作の材料は日頃の保育で触れ合う子どもたちだ。6月には園庭の木の巣にすむハトの巣立ちを追った「ハトぽっぽのヒナちゃん」という絵本を作成。保護者から「涙があふれてきた」などと評判を呼んだ。花城さんは「園の日常を絵本にしている。読み聞かせをすると子どもたちが身近に感じてくれ、保護者も喜んでくれる」と笑顔で話した。
花城さんは2000年に研修でドイツを訪れた際に、現地の子どもたちの写真を撮影し冊子にまとめた。この経験から創作活動を始めた。友人で児童文学作家のもりおみずきさん=市平良=からも手ほどきを受けた。
02年に制作し、長年子どもたちに読み聞かせをしている絵本が「グワッペのぼうけん」だ。
園児が園庭にいた子ガエルをズボンのポケットに入れたまま帰宅した出来事をモチーフにした。
ズボンは洗濯されたが、子ガエルは生きており、翌日、親ガエルに再会するまでの様子をユーモラスに描いた。そのほか、創作童話を研究者が「みゃーくふつ」(宮古言葉)に訳するプロジェクトにも参加し、これまで2冊の絵本を制作した。
花城さんは「絵本は保育の中の出来事を子どもや保護者に見せる手段だ。保育に心の豊かさが加われればいい」と柔和な表情で話した。
作品は書店などに流通していない。問い合わせはひよどり保育園(電話)0980(72)7328。