那覇空港の着陸回数、10年前の1・4倍 右肩上がり、進む過密運用 16年度は8万回突破


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 国土交通省大阪航空局によると、民間機のほか自衛隊機も含めた那覇空港(沖縄県那覇市)への着陸回数が、2016年度は前年度比5・7%増の8万3189回(速報値)となり、初めて年間8万回台に突入した。那覇空港の着陸回数は右肩上がりで増加しており、滑走路の使用状況は10年前(06年)の5万9409回に比べて1・4倍になっている。

 離陸も含めると年間16万6千回以上の離着陸回数となり、那覇空港の1本滑走路で航空機が円滑に発着できる能力(滑走路処理容量)とされる年間13万5千回を上回る過密運用が進んでいる。

 1本滑走路の空港として福岡空港に次いで過密な那覇空港では、2020年3月末の供用開始を目指して第2滑走路の建設が進められている。ただ、2本目の滑走路が完成した後の滑走路処理容量は年間18万5千回(回転翼機、深夜発着機は含まず)と試算され、現状の離着陸回数の1・11倍にとどまる。発着増の対策として、経済界からは旅客ターミナルの新設移転を求める声が上がっている。

 16年度の離着陸回数の内訳は、国内線が前年度比4・3%増の約14万5千回、国際線が10・5%増の約2万1千回。格安航空会社(LCC)の増便など就航路線が増えたことが離着陸回数を押し上げ、特に国際線は高い伸び率で推移している。

 16年度は那覇空港を利用した旅客数(速報値)でも前年度比8・0%増の2003万6318人となり、5年連続の増加で初めて2千万人を突破している。