比嘉大吾、KO継続宣言 「挑戦者の気持ちで倒す」 10・22初防衛戦


この記事を書いた人 平良 正

 【東京】10月22日に初防衛戦が決まった世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツ、宮古工高出=は23日、都内での会見で「防衛は難しいと言われている。挑戦者の気持ちで倒しにいく」と語り、対戦相手のトマ・マソン(27)=フランス=にKO勝ちすると宣言した。所属ジムの具志堅用高会長も「初防衛戦を勝たないと話にならない。俺の夢は大吾にあるからね」と気を引き締めた。

初防衛戦に臨む比嘉大吾(下)と所属ジムの具志堅用高会長=23日、東京・新宿区の帝拳ジム

 比嘉はこれまで13戦全戦KO勝利のパーフェクト記録を継続中で、本試合でKO勝ちすれば沖縄県出身の浜田剛史らが持つ連続15KOの日本記録にも王手をかける。「浜田さんの記録を抜くことが今の目標であり、練習のモチベーションでもある」と闘志を燃やす。

 世界王座として連続13回防衛の日本記録を持つ具志堅会長の視線はさらにその先を見据える。「フライ級を1~2年維持し、スーパーフライ級にいけば誰が相手でもKOできる」とまな弟子に期待を込める。

 対戦相手のマソンは身長が170センチほどあるといい、160センチの比嘉とは差がある。アジア勢との対戦が多い比嘉は「接近戦に持ち込めれば一番いいが、簡単にはさせてくれないだろう」と分析。具志堅会長は「リズム感や動きのいいヨーロッパスタイルのボクシング。いかに追い詰めていくかだ」と印象を語った。

 世界王座を勝ち取った5月以降は祝賀会などが重なり外食の機会も増えたという比嘉。「体重は変わらない。練習もしているので問題ない」と説明した。会見では比嘉の生活の変化を気に掛ける具志堅会長が「勝つためにはおいしいものを食べないことだ」などと戒める場面もあった。

 比嘉は5月の世界戦前、一時パニック状態に陥るほど減量に苦しめられた。比嘉は「今回は早めに落としたい」と語り、前回以上に万全の態勢で初防衛に照準を合わせる。