沖縄県内来春卒、内々定62% 全国平均17ポイント下回る マイナビ7月末


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 2018年春に沖縄県内の大学や専門学校などを卒業予定の学生の7月末の内々定率は62・2%と、全国平均の78・9%を16・7ポイント下回り、九州・沖縄地区では最も低いことが、就職情報会社マイナビの調べで28日、分かった。県内でも人材不足が叫ばれる中、まだ採用が決まっていない学生も多くおりマイナビは「沖縄の採用市場はまだ閉じていない」として積極的な活動を呼び掛けた。

 マイナビ沖縄支社(綿貫哲也支社長)が28日に那覇市のネストホテル那覇で開いたセミナーで報告した。大学や企業の就職、採用担当者ら36人が参加した。

 全国では7月末の内々定率(78・9%)が前年同月比で6・2ポイントの増加となった。6月1日の選考活動開始前の5月末時点でも53・3%が内々定を受けているなど、採用活動の前倒し傾向が鮮明となった。

 マイナビ沖縄支社によると、県内企業は3月1日の広報活動開始や、6月1日の選考活動開始日を守る傾向が背景にあるという。だが、県外に進学した学生を中心に、県内企業の採用決定前に県外企業へ就職が決まり、採用のタイミングを逃す例も多いとみられる。採用活動が計画通りに進んでいない企業を中心に、3月の広報活動や6月の選考活動解禁を前にした下準備も重要性を増しそうだ。

 企業選択の主眼に安定や福利厚生を求める学生が増加しているもののマイナビは「求める安定性は学生ごとに異なる。何をもって安定と捉えるか、自社なりの答えを返すといい」と助言。「インターンや面接など選考過程から学生の志望度を高め、採用につなげていく取り組みが重要だ」とした。

<用語>内々定
志望者に大学卒業後の採用予定を通知すること。「内定」は正式な労働契約が結ばれ、法的拘束力があるのに対し、内々定では労働契約に至っていない違いがある。