保育に男性の視点 保育士14人が会設立 糸満


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 【糸満】保育に男性の視点を―。沖縄県糸満市(上原昭市長)はこのほど、市男性保育士部会(金城典央代表)を発足した。市内の保育現場で働く14人が参加し、専門性を高めようと積極的に研修会で学んでいる。金城代表(26)は「女性が多い職場で日々、不安に思うこともある。男性保育士の輪を広げ、技術と専門性を高めたい」と抱負を語った。

専門性を高めようと研修会で学ぶ糸満市男性保育士部会のメンバーと女性保育士ら=22日、糸満市のふくらしゃ館

 糸満市も「自信を持って糸満の子どもたちを育ててもらうためにも、男性の視点を生かし、専門性を身に付けてほしい」と、同部会をサポートする考えだ。

 糸満市は2009年に子育て研究会を発足し、子育て支援部会と障害児部会の2部会で研修を行ってきた。近年、女性が多い研修会に男性保育士も参加するようになり、「男性の視点を生かした研修会が必要ではないか」と、本年度から男性保育士部会を立ち上げた。

 市によると、市内で30人前後の男性保育士が働いている。部会に参加する14人は、市内の公立、法人、認可外、小規模、子育て支援センターで勤務している。男性保育士の会は県内では珍しいという。メンバーは勤務後の夜に講習会に参加し、男性保育士の課題や魅力的な教材などについて学んでいる。

 22日には、糸満市のふくらしゃ館で3回目の研修「パネルシアター実技研修」が行われた。男性保育士9人の他、女性保育士らも参加。糸満市出身で県幼稚園初任者研修指導員の西原美津江さんから教材作りについて学んだ。

 保育士になって7年目という金城代表は、保育士の魅力について「子どもの発達や成長の変化を見られること」と強調する。「保護者から『先生に預けて子どもの興味、関心が広がった』と言われることもある。男性保育士の数は少ないが部会で意識を向上し、女性保育士、お母さん、お父さんと一緒に子育てを頑張っていきたい」と力強く語った。
(豊浜由紀子)